もくじ
ことの発端は
私が自営しはじめたころ、なかなか集客できずに悩んでいました。それとは別に自分の自営業のホームページを作りたいと思いジオシティーズ(2019年3月末でサービス終了)という無料でホームページを作れるサイトに登録して、ホームページビルダーというホームページ作成ソフトで自分のホームページを作ってみたのです。
しかし、このホームページビルダーが使いにくいのなんのって、思うようなページ構成ができません。
そこでグーグルで「ホームページ作成ソフト」「一番簡単」などというキーワードで検索して出てきたのが、メンターA先生が作ったホームページ作成ソフトでした。
無料試用版もあり動画で使い方が解説されていて、本当にワープロで文章を書くようにホームページを作ることができたのには驚かされました。
これを切欠に、メンターA先生が半額で再販していたWebセミナーを受講することにしたのです。
まさに学びのWebセミナー!
A先生のWebセミナーはA先生が1人で講演するだけでなく、知人友人後輩などと対談形式での音声セミナー(ときに動画も)もあって、内容も私にとっては新鮮で感動すら覚えるものでした。
とくにマーケッティングの理諭は私にとっては目新らしく、DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケッテイング)やボトルネック理論、弁証法、アイデアの作り方などなど、はじめて聴く内容でひきこまれるように視聴したのを覚えています。
今となっては、古典的とも言える基礎の基礎といったものですが、当時の私には目から鱗のコンテンツでした。
その他、メルマガで提供される音声などから、私以外にも多くの「信者」が全国にいることが伺い知れ、A先生は当時は成功者として注目されていたようです。
成功者A先生に変化が…
A先生の成功は主にホームページ作成ソフトの売上げによるものだったようです。別サイトによれば、A先生作成のホームページ作成ソフトの使用者は1万人以上いるとのこと。2万円のソフトでしたから、売上はこれだけで2億円ということになりますね。A先生も「4人の会社で年商7千万円くらいの年間売上があったと公言していますので、数年は順調に経営が回っていたのでしょう。
しかし、A先生の関心はホームページ作成ソフトなどソフトウエアから教育に移って行ったようでした。私財を投じて語り合いと学びの場を作り、学び方を学ぶという応用力の高い学習法について研究を進めて行ったようです。
しばらくして、私が感銘を受け影響を大いに受けたWebセミナーの発展版への先行投資がメルマガで提案されるようになってきました。
ある方向性でやります!楽しみにしてください!価値あるものを提供するので先行投資してください!というのです。
ところが、メルマガを受け取ている側からすると、徐々に大丈夫かな?という不安をもたらすような状態となってきたのです。
私がもっとも引っかったのは永久会員の募集でした。
こんなコンテンツを作って行きますよと予告され、でもまだコンテンツが僅かしか完成されていない段階でまとまった金額で永久会員の権利を買えば、今後追加される全てのコンテンツを追加料金なしで利用できるというものでした。
先に買ったWebセミナーに感銘を受けた私は、自分のメンターであると勝手に思っていたA先生を応援する気持ちから、永久会員の権利を10万円で購入することにしました。
この10万円は今でも間違いであったとは思っていません。
というものの、A先生のセミナーコンテンツを10万円支払って以降は永久に「タダ」で利用できることになると、A先生の会社は永久会員を売った翌年からは収益がなくなることになるのです。人ごとながらこれでやっていけるのか?と心配になってしまいました。
月額制の通常会員がどんどん増えればいいのですが、徐々に増されていくコンテンツを見て愕然としました。
A先生が目指す「学び方を学ぶ」というものはWebセミナーには馴染まないのです。
実際のセミナーに参加して生身の人間のやりとりができると全く違う印象になるかも知れません。しかし、私がWebセミナーを観て思ったことは、「お金を払って観る価値はない」「楽しくない」「役に立たない」というものでした。
A先生のつまずき
私にセミナーを役に立てる能力がないのかも知れません。でも多くの人がそう思ったのでしょう。A先生の会社は経営危機に陥いり職員全員から辞表を叩きつけられる状態となってしまったようです。
A先生が提唱するセミナーは講師が教えるのではなく、講演者がファッシリテーターとなって学び方を学んでもらって、未知の問題を自分の力で解決する能力を養って行くというものでした。でも、現実のセミナーで課題を実際に行って、参加者とリアルに接して意見を述べ合わなければ効果もないでしょうし、第一に面白くも学びもありません。学び方を学ぶファッシリテーションはWebセミナーにはなじまないと感じました。
私が、そして多くの視聴者が望むWebセミナーとは?
Webセミナーで私が望むものは、新しい知識や考え方を教えてもらうというものです。直接の知識でありハウツーでなければ、Webセミナーを観ること自体が時間の浪費となってしまいます。
このことをA先生は見誤ったのだと思います。学び方を学ぶことは意味のあることですが、一方通行のWebセミナーにはなじまないのです。学び方を学ぶ動画を観ても、参加者からのフィードバックもファッシリテーターからのファッシリテーションも得られないでしょう。実際にリアルのセミナーに参加しなければ成果は得られません。
まだセミナーの様子をノーカットで2時間とか3時間とかの動画を提供してもらえれば印象は違ったものになったかも知れません。実際、別のWebセミナーに10万円はらって参加したときには、最初と最後のセミナーはリアルタイムで3時間余りノーカットで中継され学びも多く、これは時間を投資した価値があったと感じました。
A先生の学び方を学ぶWebセミナーは、実際のセミナーを数分に切り分けて、それをいくつもつなぎ合わせるような構成であり、実際のセミナーで学んで楽しんでいる受講生の姿を眺めるといった風情でした。野球中継で選手のプレイを観るのではなく、楽しんでいる観客をずーっと中継して、その観客を見せられているというような印象と言えばいいでしょうか。
いわばWebセミナーは野球中継のようなものです。野球場に行って他の観客と一体となって試合を楽しむのが一番エキサイティングなのは言うまでもありません。野球中継で観客だけを映すのではなく、選手がプレイするところを中継しなければ面白くも何ともないでしょう。
ブランディングできていないものは売れない!
A先生のもうひとつのミスは、A先生の学び方を学ぶWebセミナーの内容が、A先生が他の学習理論を学ぶ中で自らが発案した、実績のない方法であるということでしょうか。たとえばNLPであるとかバイロン・ケイティのザ・ワークであるとか、実際に実績のあるブランディングされた方法ではないので、売れようがないという点に気づかなかったことでしょう。
全く実績も知名度もない私が「知らないことでも自分で分かるようになる学習術セミナー」を開きますから、毎月5000円の会費ではじめませんか?とか言っているような状況をほとんど変わりはないということですね。
A先生の巻き返しを願っています!
A先生は、わたしにとって恩人と言ってもいいくらいにポジティブな影響を与えてくれた人です。
なんとか、新しい理論のセミナーで実績を積まれてブランディングでき、大いなる飛躍をされることを願うばかりです。