
第2世代抗ヒスタミン薬は、花粉症やアレルギー性鼻炎の治療に広く使われています。「どれが一番強いのか」という疑問はよく聞かれますが、薬剤を直接比較した大規模な試験は存在せず、明確な強さの序列に定説はありません。とはいえ、各薬剤の臨床試験データや医療現場での実感を総合すると、おおよそ次のような傾向が見えてきます。
強さの目安(弱い→強い):クラリチン ≦ アレグラ < デザレックス < ビラノア ≦ ザイザル
クラリチン(ロラタジン)やアレグラ(フェキソフェナジン)は市販薬としても広く流通しており、副作用が少なく使いやすい薬です。デザレックス(デスロラタジン)はクラリチンの活性代謝物にあたり、より強い効果が期待できます。ザイザル(レボセチリジン)は高い有効性を持ちますが、眠気が出やすい傾向があり、自動車の運転等には注意が必要とされています。
なかでも近年注目されているのがビラノア(ビラスチン)です。現行の第2世代抗ヒスタミン薬のなかでトップクラスの効果と即効性を持ちながら、眠気が出にくいという点が高く評価されています。脳内のヒスタミンH1受容体への占有率が極めて低いことが確認されており、中枢神経系への影響がほとんど認められません。自動車の運転や集中を要する作業にも支障をきたしにくいため、日常生活を送りながら服薬しやすい薬といえます。
ただし、ビラノアには重要な服用上の注意があります。食事の影響を非常に受けやすく、食後に服用すると吸収が大幅に低下します。食後服用では効果が約40%低下するとの報告があり、必ず食前1時間以上、または食後2時間以上が経過してから服用することが必要です。せっかく処方を受けても、服用タイミングを誤るだけで効果が大きく損なわれてしまう点に注意しましょう。
抗ヒスタミン薬の効果には個人差も大きく、同じ薬でも人によって効き目が異なります。症状の程度や生活スタイルに合わせて、医師や薬剤師に相談しながら選ぶことが大切です。