重いつわりは胎児に原因あり?

妊娠悪阻

妊娠悪阻は、激しい嘔吐を繰り返し、一般的なつわりよりも重く、昼夜を問わずひっきりなしに吐き気と嘔吐に見舞われます。そして、脱水症状や栄養失調で体が衰弱し、電解質バランスが乱れ、けいれん発作や筋力低下、不整脈などの深刻な健康障害を引き起こすこともあり、十分な栄養を摂取できなければ胎児の成長にも影響が及んでしまいます。しかし、この妊娠悪阻の原因が、妊婦側ではなく胎児側にあるという報告がなされたので記事にしました。英科学誌ネイチャーに掲載されたものです。

この研究の結果

妊娠初期から13週6日までの妊婦さんのGDF15の値は「吐き気や嘔吐の症状が強い人ほどGDF15値が高い」

ということがわかったといいます。これらの発見は、つわりの原因が「気持ちの問題」とされてきた過去の認識を変え、妊娠悪阻の予防や治療に新たな可能性をもたらすものです。今後の研究によって、つわりの症状改善につながることが期待されています。

GDF15とは

GDF15は、ストレスや炎症、組織損傷に反応して産生されるタンパク質であり、脳幹に作用し食欲、エネルギーバランス、体重、吐き気などを制御するとされています。また、GDF15は加齢やがん、炎症、喫煙などの後に上昇することも知られており、一部の薬剤によっても上昇することが示されています。

参考文献

  • GDF15 linked to maternal risk of nausea and vomiting during pregnancy
    M. Fejzo, N. Rocha, …S. O’Rahilly Show authors,Nature volume 625, pages 760–767 (2024)Cite this article,https://www.nature.com/articles/s41586-023-06921-9?ssp=1&setlang=ja&cc=JP&safesearch=moderate,

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