最近、あるサイトで見た記事に、実績のある精神科医が、職場の日常的に生じ続ける対人関係ストレスをシリアルキラーと呼んでいました。この用法には、違和感を感じました。なぜなら、シリアルキラーという言葉は、人の命を奪うという重大な行為者を表すものであり、職場のストレスと比較するのは、不適切であると思ったからです。
シリアルキラーとは、一般的に異常な心理的欲求のもと、1か月以上にわたって一定の冷却期間をおきながら複数の殺人を繰り返す連続殺人犯に対して使われる言葉であり、人を殺すことによってスリルや快感を得たり、人を単なるその手段・対象としか見なかったりする殺人者のことを指します。
職場の人間関係上のストレスは、誰もが経験することであり、それをシリアルキラーと同じにするのは、極端で不適切だと思います。職場の人間関係上のストレスは、自分の仕事に影響を与えたり、心身の健康を損なったりすることがありますが、シリアルキラーとは、全く異なる次元の問題だと考えます。この表現は、殺人とストレスの関係を暗示し、一般に恐怖や嫌悪を引き起こし誤解を招く可能性があるのではないでしょうか。また、シリアルキラーという言葉は、犯罪者に対する軽蔑や憎悪を表すものであり、職場の人間関係に対する否定的な感情を煽るかもしれません。これは、職場の雰囲気やコミュニケーションを悪化させることにつながるかもしれません。職場の人間関係の問題を解決するためには、適切ではないと考えられます。したがって、この表現には、違和感があり、職場の人間関係上のストレスを抱えている人にとって、不快であり、不安を煽る危険があると思います。
この方は、日常的に定期的に連続して生じる危険なストレスということを表現し、かつ、印象的用語を創作しようと思うあまり、すでに一般化しているキラーストレスという用語の「キラー」と、シリアルキラーの連続という意味合いの「シリアル」を思いつきで結びつけて「シリアルキラー」だ!としたのかもしれません。しかし、社会的に責任ある人間は、安易な用語の使用方法は控えるべきだと考えます。特に、専門家としての信頼性や影響力を持つ人は、言葉の選び方に注意する必要があるでしょう。言葉は、人の心や行動に大きな影響を与える力があります。その力を正しく使うことが、社会の発展に貢献することになると思いますが、如何でしょうか?
もくじ
サイト記事の要約
以下が読んだサイトの要約です。
職場の人間関係に起因する問題は、以下の理由で表面に出にくい。
1)直接的なストレス源が去った後も、ストレスを感じる
–人間関係で不愉快な出来事があると、その記憶が何度も蘇り、気分が落ち込みます。
–上司に怒られた場所に行くだけで、不安になります。
–その結果、人間関係の問題は休日や自宅でも心に重荷となり、憂鬱な気持ちが続きます。
2)心理的ストレスは蓄積し、強まる
–仕事の課題は難しいものの、時間をかけて解決できますが、人間関係の悩みは関係者がいる限り消えません。
–「また明日、苦手なあの人と会わなければ……」と思い続けると、最初は人間関係の悩みだけだったものが、職場や仕事自体への嫌悪感に変わります。
–結果、上司や同僚との関係悪化によるストレスが無意識に重なり、強くなります。
–そして、気づいたときには、既に限界点を超えているのです。
3)当事者も周囲も気づきにくい
–人はしばしば「自分に都合の良い真実しか見ない」傾向がある。
–限界に達している管理職であっても、「この人がいれば安心」という過信により、周囲がヘルプサインを見落とすことがあります。
–また、ハラスメント行為をしている上司も、自分が人間関係のトラブルを引き起こしているとは思っておらず、気づいていないこともあります。
–このように、認知のギャップが「見えにくい」という特徴をもたらします。
–人間関係の問題は、本質的にコミュニケーションの問題
某精神科医の本
本の内容はタメになるので読んでみて損はないと思います。
★「心が少し不安定になる」という悩みに効果絶大。
★人気バーチャル精神科医が教える「めんどくさい自分」への対処法とは?
★モヤモヤ、イライラ…。感情のループを断ち切るためには、たった1つの考え方をするだけでいい。
★ネット上で1万人以上の若者の悩みを解決した方法を体系化。
★「そう考えればいいのか!」「一生ラクに過ごせそう!」と、話題の一冊が登場。著者について
精神科医いっちー
Amazonより引用
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医。
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSにて情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10〜20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。NHK、AERAなど、取材・出演もあり。主な著書に『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』(ダイヤモンド社)がある。