洞窟病とは?ウイルス感染?細菌感染?

朗報!しかし、まだ安心はできません!

今日(平成30年7月10日)、タイで洞窟に閉じ込められていた少年サッカーチームのメンバーとコーチの13人全員が、閉じ込められていた洞窟から無事に救出されたという一報がありました。

本当に良かったですね。

閉所恐怖のある私は、ニュースを見て恐怖感をわが身のように感じて眠れない日が何日かあったので、全員救出の知らせは嬉しい限りでした。

これで私も眠れない日々から解放されるという安心感と、救出された子供たちが家族と再会できるであろうと、本当に良かったという思いでした。

ところが、専門家によると直ぐには家族と再会させられないという事情があるようなのです。

それは、洞窟病にかかっていないかを確認する必要があるというものです。

洞窟病とはどのような病気か?

1948年に、アーカンソー州保健衛生局のA.M.Washburnらは、Am J Public Health Nations Heaithに、洞窟病(Cave Sickness)というのは、今までの病気と区別できる新しい病気の単位であるか?という趣旨の論文を発表しました。

その結論として、洞窟や廃坑で多くの時間を過ごしていた人(トレジャーハンター、宝物探しとでもいう方々ですね)に見られる運動時の呼吸困難と激しい倦怠感を主症状とする肺のレントゲン所見がある病態を、新しい、あるいは少なくとも以前は不適切に描写されていた独立した疾病であるとしました。

また、病原微生物検出情報(IASR)の2011年3月号に掲載された国立感染症研究所の水谷らの投稿によれば、2008年にウガンダの洞窟でオオコウモリの分泌物か糞によりマールブルグウイルスに感染し、

マールブルグ病(マールブルグウイルス感染により、発熱・頭痛・筋肉痛・皮膚粘膜発疹・咽頭結膜炎・下痢・鼻口腔や消化管からの出血などが生じる)を発症した米国人とオランダ人の症例が報告されたことを紹介しています。

2011年には、リオデジャネイロ連邦大学のR.P.IgrejaがWilderness Environ Med.に投稿した論文には、上記の病気のほか、

ヒストプラズマ症真菌[カビ]であるHistoplasma capsulatumを原因とする感染症)

狂犬病(狂犬病ウイルスによる感染症)

レプトスピラ症(病原性レプトスピラ[らせん状の細菌の一種]の感染による人獣共通感染症)

マダニ媒介型回帰熱(病原体ボレリア[スピロヘータといわれるらせん状の細菌の一種]による感染症)

などの感染症に注意する必要があると警告を発しています。

これらはいずれも、洞窟に入ったことによる細菌もしくはウイルス真菌による感染症です。

これらが洞窟病というカテゴリーに含まれる病気ということになります。

場合によっては死亡することもあり、注意が必要です。

タイで救出された子供たちも、これらの洞窟病にかかっていないことを確認してからでないと、家族の面会が許されないのだそうです。

1日でも早く、家族と再会できるといいですね!

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